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活動ブログ

トルコ鉱物資源局で分析を行いました!

2024年01月18日

2023年11月1日から22日に、夏のトルコ調査で採取した試料の分析のため、多田隆治研究員、Nurcan Kucukarslan研究員、私(多田賢弘)の3名でトルコ共和国へ渡航しました。地球学研究センター古環境グループでは、アナトリア地域広域での古気候変動と遺跡周辺のローカルな古環境変動との関係、そして遺跡周辺の古環境変動と遺跡に暮らした人々の生活様式や技術の変化との関係を明らかにすることを大きな目的としています。そこで2023年の夏の調査では、トルコ中央部に位置するEski Acigol (旧湖)での掘削調査(ボーリング調査)、カマンカレホユック遺跡近くの旧湿地での掘削調査、カマンカレホユック遺跡内での堆積物調査を行い、それぞれ堆積物試料を採取しました (図1)。トルコで採取した考古学・地質学関連試料は、トルコ国外への持ち出しが厳しく制限されていて、日本に持ち帰って分析することができません。そのため、試料の分析はトルコ国内で行う必要があります。そこで、採取した試料から古環境や人間活動に関する情報を取り出すための化学分析・鉱物分析を行うことを目的に、11月に再びトルコへ赴きました。

図1. カマンカレホユック遺跡近くの旧湿地での掘削調査の様子(左)、
カマンカレホユック遺跡内での堆積物試料採取の様子(右)

カマンカレホユック遺跡のそばに位置するアナトリア考古学研究所 (図2)に1週間ほど滞在し、試料の前処理を行いました。メノウ乳鉢を用いて3人でおよそ150試料を粉末化し、腕の筋肉が鍛えられました(図3)。

図2. アナトリア考古学研究所の朝
図3. メノウ乳鉢を用いて試料を粉末化する様子(上),
粉末化した堆積物試料の一部(下)

試料の分析は、アンカラのトルコ鉱物資源調査開発総局(MTA; “メテア”と読むそうです)で行いました(図4)。アナトリア考古学研究所で粉末化した試料の化学・鉱物分析に加えて、XRFコアスキャナーという装置を用いて、掘削試料や遺跡から切り出した試料の表面を1mm間隔で連続的に分析する高解像度化学分析も実施しました(図5)。

図4. トルコ鉱物資源調査開発総局(MTA)
図5. 遺跡から切り出した堆積物試料(左),
XRFコアスキャナーを用いた高解像度化学分析の様子(右)

冬のアナトリア高原は大変寒く、アンカラへ向かう道中の畑にはうっすらと雪が積もっていました(図6)。

図6. 冬のアナトリア高原

最終日には、ビルケント大学を訪問し、分析機器を見学しました。ビルケント大学は、アンカラに広大なキャンパスをもつ総合大学で、Nurcan Kucukarslan研究員の母校でもあります(図7)。

図7. ビルケント大学 National Nanotechnology Research Center

三週間の滞在で、予定していた作業・分析をほぼすべてこなすことができました。

今後の試料の分析・解析結果についてもご期待ください。

(多田賢弘)