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活動ブログ

アナトリア文明博物館で分析

2021年12月28日

今年の夏、鉄遺物の分析のためトルコのアナトリア文明博物館を訪れました。

アナトリア文明博物館はアナトリアの地で栄えた文明の遺物を展示している博物館で、1997年にヨーロッパの博物館部門で大変権威のある「EUROPEAN MUSEUM OF THE YEAR AWARD」を受賞している、世界的に有名な博物館です。

アナトリア文明博物館の入り口

ここでは、旧石器時代からローマ時代までの幅広い時代の大変貴重な遺物を展示しているため、文明が始まり進化していく過程を、実際に出土されたものを見ながら学ぶことができます。そのコレクションは圧倒的で、トルコのアナトリア地域が、いかに人類の文明史において重要な土地であるかを思い知らされます。
どのコレクションも素晴らしいのですが、ここでは特に印象に残った展示を数点紹介したいと思います。

チャタルホユック遺跡から出土された、出産や豊作に関連すると考えられる女性の像。両脇にヒョウを従えている。(紀元前5750年頃)

アラジャホユック遺跡の出土品。太陽を象徴している、儀式に使う像。(紀元前2500-2250年頃)

アルスランテペ遺跡の宮殿の門に建っていたライオンの像。高度な彫り上げ技法でつくられている。

楔形文字が彫られた粘土板。疫病について書かれている。(紀元前1300年頃)

象牙でできた箱。箱の表面は多くの人物が彫られており、銅、鉄の釘、ラピスラズリの装飾などが施されている。(紀元前1900年頃) 

 いかがでしょうか。何千年も前につくられたものですが、いずれも完成度が高く、細かいつくりをしていて、とても感銘を受けました。
 このように館内を見学することもできましたが、今回の目的は冒頭でも触れたとおり、鉄遺物を分析することでした。先程紹介した出土品と同様に、博物館に展示されている大変貴重なものです。ここでは分析させて頂いた鉄遺物の一つである、世界最古の鉄剣を紹介します。

写真の手前側が世界最古である約4300年前の鉄剣

 こちらの鉄剣は1938年にトルコのアラジャホユック遺跡から出土したものです。柄などは金でできています。このような世界的に重要で貴重な財産を、分析させて頂きました。

分析のため、展示ケースを特別にあけていただきました

分析の様子

 展示ケースから出して頂いた遺物に改めて対面すると、大変恐れ多い気持ちになりました。今回ご協力いただきましたアナトリア文明博物館、アナトリア考古学研究所の皆様に、改めてお礼申し上げます。