長崎県出身。九州大学文学部考古学専攻卒業、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学し、東京大学総合研究博物館技術補佐員、古代オリエント博物館研究員(2012〜2021)を経て、現職。専門は西アジア考古学。
2001年から現在まで、東京大学によるシリア東部における新石器時代遺跡の発掘調査、同大学とアゼルバイジャン国立科学アカデミー・考古学民族学研究所合同による南コーカサス地域の遺跡調査に参加してきました。近年ではトルコ・アナトリア地域の都市遺跡キュルテペや、イラク・クルディスタン、ザグロス山麓の先史時代遺跡における発掘調査及び資料調査にも携わっています。また、国内外の博物館に所蔵されるイラク、イラン、シリア出土資料を最新の考古学研究から見直すとともに、年代測定や科学分析などといった最新の研究手法で新しいデータを収集し活用する試みにも取り組んでいます。
西アジア、現在の中近東地域は古代文明の揺籃地として有名ですが、その基盤となった農耕牧畜社会の形成過程、そして西アジア独自の都市社会の成立と展開に関して、物質文化資料を考古学的手法で研究することをテーマとしています。特に、先史時代から青銅器時代にかけて遺跡から得られるデータや物質文化にみられる技術変化を調べることによって、社会複雑化の実態と農耕牧畜社会から都市社会へという歴史的過程の背景を解明することを目指しています。