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地球学研究センターに、科研費・特別推進研究「サピエンス数理先史学」の事務局を設置

2026年05月30日

文部科学省・日本学術振興会が交付する科学研究費補助金(科研費)は日本の学術を支え、発展させるための基盤的な競争的研究費です。そのうち最も規模の大きい種目である特別推進研究の事務局が2026年4月、千葉工業大学地球学研究センターに設置されました。テーマは「サピエンス数理先史学―新人拡散にともなう文化進化モデリング」、研究代表者は西秋良宏です。

この研究の大きな目標は、人文社会系研究には無縁と思われがちな数理科学を考古学分野に導入し、「数理先史学」という新たな学術領域を開拓、推進することにあります。

数理先史学の可能性や有用性を示すケーススタディとして、新人(ホモ・サピエンス)のユーラシア拡散、旧人(ネアンデルタール人ら)との交替劇を数理科学でいかに説明できるかという課題にとりくんでいます。約30万年前のアフリカで誕生した私たち新人は20万年前頃、西アジアに進出し、5〜4万年前頃、ユーラシア各地に拡散し旧人たちと交替しました。その理由やプロセスの説明は複雑です。両者の生物学的差異だけでなく、当時の歴史、気候など多様な条件を考慮した総合的な分析が必須となるからです。
 
そこで、本研究が採用したのが、複雑な要因がからみあった事象を要約した統計量で説明する現象数理学の手法です。その導入をもって、ヒトの文化や進化の研究に新風を吹き込むことを目指しています。

地球学研究センターは、46億年もの歴史をもつ地球におけるヒトのありようを、俯瞰的かつシステム論的に理解するために設置されました。現象数理学の方法論は、その推進においても、きわめて有効でありましょう。特別推進研究「サピエンス数理先史学」の活動は、本センターの発展に大きく寄与するものとして期待されています。